「依頼者向けWEB制作ガイドライン」の重要性について

多くのコンテンツオーナーが関わる大規模サイトで重要な「依頼者向けWEB制作ガイドライン」についてご紹介します。

「依頼者向けWEB制作ガイドライン」の重要性について

WEB制作ガイドラインとは、WEBサイトの制作・運用において、従うべき指針や基準をまとめたものです。
WEB制作ガイドラインは、WEB制作会社などの制作者向けのガイドラインと、制作を発注する依頼者向けのガイドラインで性質が異なりますが、本ページでは【依頼者向けWEB制作ガイドライン】として、依頼者向けのガイドラインについてお話します。

WEBサイトの制作・運用には同じチームのメンバー、他部署のメンバーなど様々な担当者が関わることがあると思います。
担当者ごとの知識や価値観の差によって問題が起きる可能性がありますが、依頼者向けWEB制作ガイドラインを策定することにより、そのような問題を事前に回避できるだけでなく、WEBサイトの制作・運用において様々なメリットがあります。

依頼者向けWEB制作ガイドラインを策定するメリット

依頼者向けWEB制作ガイドラインを策定するメリットは以下のような点が挙げられます。

WEBサイト全体の統一性確保

WEBサイト制作に関する指針や基準がないと、各担当者ごとの判断で制作者に対してWEBページの制作を依頼できてしまいます。
それにより、サイト全体を通した企業全体のイメージを統一できず、WEBサイトの訪問者に誤ったイメージを与えるだけでなく不信感を抱かせたり、企業が意図したメッセージが伝わらない可能性があります。
WEBサイト制作に関する指針や基準を明確にすることで、WEBサイト全体の統一性を確保できます。

WEBサイト制作に関する業務の標準化

WEBサイト制作の進行における業務フローを明確にすることで、新任者やWEBに関する知識の少ない担当者であっても業務を遂行しやすくなり、特定の担当者しか業務を行えないといった属人化した状態を解消できます。

WEBサイトの効率的な運用

WEBサイト制作の進行手順を明確にすることで、依頼者が検討すべき事項と検討が不要な事項が明確となり、無駄な業務の発生を抑止でき、効率的な運用を見込めます。

事故防止・ナレッジの蓄積

WEBサイト制作の進行においての禁止事項や注意事項を明確にすることで、注意深く確認するポイントを事前に把握でき、事故の防止に役立ちます。
また、禁止事項や注意事項はWEBサイトを運用する上で新たに発覚することがあるため、常に情報をアップデートしていくことでナレッジを蓄積でき、より事故を防止できます。

依頼者向けWEB制作ガイドラインの内容

依頼者向けWEB制作ガイドラインの内容は以下のような点が挙げられます。

依頼者向けWEB制作ガイドラインの目的

何のために依頼者向けWEB制作ガイドラインが存在するかが不明確だと、そもそも依頼者向けWEB制作ガイドラインを活用できない可能性があるため、まずは目的を明確化します。

業務範囲

特定のコンテンツを管理する部署、サイト全体を管理する部署など複数の部署がWEBサイトの運用に関わっている場合、自身の業務範囲を超えてページを制作してしまうといった可能性があるため、業務範囲を明確化します。

WEB制作におけるルール・注意事項・禁止事項

以下の例のようにWEBサイトの設計・制作・公開・運用時におけるルール・注意事項・禁止事項を明確化します。

  • 運用効率を鑑みて、不用意にリンクを設置せず必要最低限に留める。
  • 外部サイトへのリンクを設置する場合は必ず専用のアイコンを設置し外部サイトへの遷移であることを明確にする。
  • 夜間休日など業務時間外での本番公開は、本番公開時の修正対応を迅速に行う体制が取りづらいため禁止する。
  • 「NEW」のアイコンは本番公開後一定期間が経過したら取り下げる。

WEB制作における業務フロー

新任者やWEBに関する知識の少ない担当者は、WEB制作がどのような業務フローで進行されているかイメージしづらい場合があるため、制作開始から完了までの業務フローや運用上の業務フローを明確化します。

依頼者向けWEB制作ガイドライン策定・運用における課題

依頼者向けWEB制作ガイドラインの策定・運用にあたって以下のような課題が挙げられます。

【策定における課題】依頼者向けWEB制作ガイドラインに含める内容の検討

依頼者向けWEB制作ガイドラインに記載する内容について、各担当者が納得できるよう十分な検討が必要です。

中でも制作に関する指針や基準は特に重要な項目のため、慎重に検討を行う必要があります。

例として、全てのページで同じテンプレートを使用するといった厳しすぎるルールを設けてしまうと、アニメーションやギミックの効いたページの制作はできなくなり、WEBページのクオリティが低下し、販促を目的としたページなどでは目的が達成できなくなる可能性があります。

反対に、どのようなページでも自由に設計できるルールとした場合でも、ページによってデザインの方向性がバラバラでサイト全体の統一感が薄れてしまうといった可能性があります。

そのような事態を防ぐため、依頼者向けWEB制作ガイドラインに含める内容は、制作に支障がないか、サイト全体の統一感を担保できるかといった様々な観点での検討が必要です。

制作に関する指針や基準については依頼者だけでなく制作者も交えて検討することで、より効率的でクオリティの高いサイト制作・運用が行える可能性が高まります。

【策定における課題】制作者向けWEB制作ガイドラインとの一貫性の確保

本ページでは依頼者向けWEB制作ガイドラインについてお話しましたが、WEBサイトの制作・運用にあたっては、デザインやHTMLといった制作者向けの情報をまとめた「制作者向けWEB制作ガイドライン」の策定も重要です。

依頼者向けWEB制作ガイドラインでも、依頼者に向けた内容で制作に関して触れますので、制作者向けWEB制作ガイドラインと矛盾しないように注意が必要です。

【運用における課題】関係者への依頼者向けWEB制作ガイドラインの周知、業務への浸透

依頼者向けWEB制作ガイドラインを作成するだけではなかなか関係者へ定着しづらいため、担当者を集めた説明会を実施したり、定期的に依頼者向けWEB制作ガイドラインを遵守するようアナウンスするなど、担当者への意識付けが重要となります。

まとめ

WEBサイトの制作・運用にあたり、依頼者向けWEB制作ガイドラインは非常に重要で、様々なメリットもある一方、策定には様々な観点での検討を行う必要があります。

ラソナでは、クライアントとともに依頼者向けWEB制作ガイドラインを策定した実績があり、策定における要件の検討からサポートが可能です。

依頼者向けWEB制作ガイドラインの策定をお考えの際にはぜひラソナへご相談ください。